日本の円安が進む影響もあり、海外移住者は過去最高となりました。
今までの日本は海外から外国人労働者を受け入れる側でしたが、今後は海外で働く「出稼ぎ」が当たり前になっていくとも言われています。
このように、日本で若い世代を中心に「海外移住」を考える人も増えてきていますが、残念ながら海外移住で失敗してしまうケースも少なくありません。
せっかく勇気を出してチャレンジしたのに、「失敗」だけは避けたいですよね。
そこで本記事では、これから海外移住を始めたい人向けに【海外移住で失敗する人の特徴とは?】について解説します。
あわせて、「海外移住の闇の部分」や「失敗しないためにすべきこと」もお伝えしていきます。
これから海外移住を考えている方はぜひ参考にして下さいね。
・現役キャビンアテンダント
・今まで訪れた国は30カ国以上
・海外ホームステイ7カ国(タンザニア、ベトナム、アルメニア、ネパール、ウズベキスタン、イラン、セネガル)とフィリピン留学を経験。
・趣味は海外旅行と英語学習。300時間以上オンライン英会話を続けている
・将来の夢は「家族で世界一周」
「こんなハズじゃなかった…」海外移住の意外な落とし穴8選
せっかく海外移住をしても、「こんなハズじゃなかった…」と帰国してしまう人は多くいます。
なぜなら、海外移住といえば「異国の地でのキラキラした移住ライフ」を思い描くため、実際に移住してからの現実とのギャップにショックを受けてしまうからです。
そこで、ここでは海外移住の現実を知ってもらうために【海外移住の意外な落とし穴】についてお伝えしていきます。
1.お金がなくなる
2.思ったよりも孤独
3.日本より清潔な国はない
4.公共交通機関が正確な時間に来ない
5.同じ日本人が騙してくる
6.安全はお金で買うのがあたりまえ
7.現地でなかなか仕事が見つからない
8.帰国後の再就職が難しい
1.お金がなくなる
残念ながら、海外移住において「円安」の影響が大きくなってきています。
以前は日本円が強かったこともあり、日本円を稼いで海外で暮らせば余裕のある暮らしもできました。
しかし、最近ではアメリカやヨーロッパ圏などの移住で、日本円だけを稼ぐだけでは生活が厳しくなってきています。
特に、ノマドワーカーのように現地でパソコン一台で働いている人は、日本企業の案件を貰って「日本円」を稼いでいます。
そのため、ドルやユーロに比べて弱くなっている「日本円」だけでは、そのような国々に暮らすことは難しいというのが本音です。
「物価安」で人気の移住先でもある東南アジアでは、今でも日本より物価が安い国ももちろんありますが、以前より「割安感」はなくなっています。
今後円安が進めば、日本円だけを稼ぐ人は生活に苦しくなって帰国せざる得ないケースもあるでしょう。
そして、現地で仕事をして外貨を稼ぐことが必須になっていくかもしれません。
また、海外では日本で暮らしているとかからないような支出もかかってきます。
その代表例が、「海外旅行保険」と「ビザの更新料」ですね。
現地で長期間暮らすことになれば「海外旅行保険」は加入が必須です。
しかし、この海外旅行保険は長期加入になると数十万円かかってきてしまいます。
また、ビザの更新料も長期間の滞在になると、地味にお金がかかってきてしまうのです。
意外な支出も多いことから、海外では意外とお金がなくなっていってしまいます。
2.思ったよりも孤独
日本へ帰国してしまう原因で一番多いと言われているのが「孤独に耐えられなかった」という理由です。
海外は自分のことを知っている人がいないので、最初はフレッシュな気分で生活できるでしょう。
しかし、どんどん時間が経つと現地の風景にも新鮮さがなくなり、気軽に遊びに行ける友人がいない孤独に耐えられなくなってきてしまいます。
特に、語学ができないまま移住してきた場合、「友達を作りたいけど、そもそもコミュニケーションが取れない…」という辛い状況に。
現地で楽しく暮らすには、現地のコミュニティーに参加することが必須です。
3.日本より清潔な国はない
海外旅行などで街に普通にゴミが落ちていることに驚く日本人は少なくありません。
なぜなら、控えめに言って日本は世界一清潔な国だからです。
日本の公衆トイレも、海外の人からすると「あんなに綺麗なのに無料なの?信じられない!」と驚かれるそうです。
それもそのはず。
日本では、国民全体で「ゴミは捨ててはいけない」、「トイレは綺麗に使う」といったマナーが浸透しています。
しかし、残念ながら海外では違います。
日本と比べてしまうと、やはり清潔さでは劣ってしまうため、そんな現地が嫌になってしまう人も多いのだとか。
4.公共交通機関は正確な時間に来ない
こちらも海外生活あるあるですが、公共交通機関が正確な時間に来ません。
むしろ、日本のようにピッタリの時間に電車やバスが来るのは非常に珍しいことなんです。
海外では、「時間通りに来ないことがあたりまえ」だと思って生活しないと、余計にイライラしたり、ストレスを溜め込んでしまうでしょう。
5.同じ日本人が騙してくる
海外では詐欺などの犯罪も多く、慣れない土地で犯罪に巻き込まれてしまう人も少なくありません。
そして意外なことに、海外で騙してくるのは同じ「日本人」が多いんですよね。
海外では知り合いもいないため、ほとんどの人が孤独を感じてしまうでしょう。
詐欺師はその孤独で不安な心理に漬け込んで近付いてきます。
きっと、最初はとても親切で親身に寄り添ってくれる「いい人」を装ってくるでしょう。
しかし、ある程度仲が深まり警戒心が溶けてくると、「投資話」などを持ちかけてきます。
「同じ日本人だから」と安心してうまうと、お金を全部取られて帰国せざる得なくなってしまうので注意しましょう。
また、現地の警察も日本人同士の犯罪には真剣に取り扱ってもらえないことも多いそうです。
現地でトラブルが起きたら、「大使館」に相談することも1つの方法です。
6.安全はお金で買うのがあたりまえ
日本ではどこの地域でも、比較的安全に暮らすことができます。
しかし、海外では「安全はお金で買う」というのが常識。
治安の良い地域や物件に住むには、ある程度のお金がかかることを覚悟しなければなりません。
治安の良い地域や、セキュリティのしっかりとしたコンドミニアムは当然家賃が高くなります。
お金をケチって住むエリアを間違えると、犯罪に巻き込まれる確率が高くなるので注意が必要です。
また、日本では”一軒家”に住むことも珍しくありませんよね。
しかし、海外では一軒家は強盗や空き巣に入られるリスクも高いので、警備員が常駐しているコンドミニアムなどに住むことをおすすめします。
7.現地でなかなか仕事が見つからない
現地で仕事を見つけることは、思ったよりも難しいものです。
特に、英語または現地語を話せなければ仕事の幅はグッと狭くなってしまいます。
そうなると、多くの日本人同士で同じ仕事を取り合うことにもなります。
例えば、オーストラリアではカフェの店員1名募集すると、なんと日本人が50名程殺到すると言われています。
現地で仕事を得るチャンスを高めるためにも、英語力や現地語を覚えたり、専門的なスキルを身に付けたいところです。
8.帰国後の再就職が難しい
海外移住をして数年後に帰国する場合、再就職が難しい場合があります。
例えば、海外に長期間住んでいても、ずっとコールセンターの仕事や日本食レストランのウェイターをやっていても、ぶっちゃけキャリアにプラスになりません。
海外で働くなら、しっかりと帰国後のキャリアを考えた上で仕事を探したり、スキルアップをしなければなりません。
海外にただ住んでいただけでは、「キャリア」として見なされませんので注意が必要です。
海外移住で失敗する人の特徴
それでは、海外生活で明暗を分ける人にはどのような違いがあるのでしょうか?
まずは、【海外移住で失敗する人の特徴】を紹介していきます。
・交渉に抵抗がある人
・ルーズな習慣が苦手な人
・異文化を受け入れられない人
交渉に抵抗がある人
海外では、ビジネスはもちろんのこと、日常のトラブルなどでも「交渉力」が必須です。
日本人同士であれば「察する」ことができるかもしれませんが、海外ではきちんと意思表示をしなければ伝わりません。
自分の意見を主張しなければ、相手に言いくるめられてしまい損をしてしまうことになるでしょう。
ビジネスにおいても、自分の意見を主張しないと、相手が言う通りの不利な状況になってしまうことがあります。
交渉の場では、さまざまな形で自分に有利になるような要求をしてくるのが普通です。
理論的に反論して折り合いをつけていく交渉ができなければ、仕事もうまく進みません。
日本のように協調性を大切にする文化はないため、自ら交渉することに抵抗がある人には少し厳しいかもしれませんね。
逆に、海外で交渉力を上げれば、ビジネスにおいても活躍のチャンスは増えることでしょう。
ルーズな習慣が苦手な人
海外のルーズな習慣をストレスに感じることが少なくありません。
特に、日本人は時間に厳しい性格なのでそう感じてしまいますよね。
例えば、海外では電車が定刻通りに到着しないのは当たり前です。(むしろ、日本のように正確に公共交通機関が来る方が非常識です!)
仕事でも、実は納期が守られないケースも日常的に起こってしまうんですよね。
そのため、期限が守られないことを前提に調整力を活かす必要があるとも考えられます。
「計画通りに物事を進めたい」という思いが強い人は、海外に向いていない可能性があります。
異文化を受け入れられない人
海外で働くということは、文化や価値観の異なる人と混ざり合いながら生活をしていくことになります。
異文化を受け入れられなければ、文化の違いに悩まされ続けます。
特に海外では、仕事上の付き合いやプライベートでも、自分の周りは日本とは違う生活習慣のなかで生活している人たちばかりになります。
「文化の違いを楽しもう!」と思う気持ちがなければ、ストレスに感じてしまうでしょう。
海外移住で成功する人の特徴
反対に、「海外移住で上手くいく人」って一体どんな人でしょう?
ここからは、【海外移住で上手くいく人の特徴】を紹介します。
・意見を主張できる人
・自分で情報収集ができる人
・環境にすぐ適応できる人
意見を主張できる人
まず最初に、海外では個人主義の傾向が強く、自分の意見を主張できる人が向いています。
日常で現地の人と会話をする際にも、「あなたの意見」を求めてきます。
自分の意見をはっきりと言えない人は「幼稚」だと思われてしまい、良い印象を持たれにくいとも言われています。
海外では多様な人種、文化の人々が存在するため、きちんと自己主張しなければ相手に伝わりません。
日本人同士の「察してほしい」という考え方は、海外では持たない方がいいでしょう。
また、ビジネスにおいても日本ではチームワークが重視され、同じ意見に合わせることで円滑に進みますが、海外では個人の判断やスキルが重視されるという違いがあります。
その違いを理解した上で、上司と交渉したり、会議などでも率先して自分の意見を伝えられるといいですね。
自分で情報収集ができる人
海外に住むということは、異なる文化・マナー・価値観の人々と共存することになります。
もちろん、現地の風習やマナーの違いに戸惑うことも多いはず。
そんな時に、自分自身で情報を収集できることが重要です。
今はインターネットが発達しているため、分からないことはどんどん調べられます。
そして、現地の人しか知らない情報ももちろんあるため、現地の人と関わるコミュニケーション能力も必要ですね。
「誰かが助けてくれる」という受け身な姿勢は、海外では絶対にNGです!
環境にすぐ適応できる人
海外移住に向いているのは、好奇心旺盛で新しい環境にも積極的に飛び込んで行ける人です。
慣れない海外生活では環境の変化に耐えられずに、メンタル不調になってしまうことも多いと言われていますよね。
そのため、環境の変化にすぐに対応できることは非常に重要なスキルです。
意外性や驚きなど未知のことに対してストレスを抱えず、興味をもつことができれば、仕事もプライベートも楽しむことができるはず!
いかがでしょうか?
「こんなはずじゃなかった」とならないためにも、海外移住で上手くいく人とそうでない人の特徴はしっかり覚えておきましょう。
「海外移住してみたい!」と思ったらすべき5つの準備
「海外移住をしてみたい!」と、ただ思っているだけでは実現しません。
ここでは、【海外移住を叶えるために具体的に準備すべきこと】をお伝えしていきます。
・語学の勉強を始める
・住みたい国を訪れる
・現地のビザ情報を集める
・現地で募集されている求人を探す
・家を探す
1.語学の勉強を始める
まず、今日からできることとして「語学学習」があります。
海外で暮らしていくなら、語学は絶対に避けられません。
買い物や近所の人とのコミュニケーションなど、日常のあらゆる場面で使うため、語学はできるに越したことはありません。
また、海外では思わぬトラブルに巻き込まれることも少なくありません。
現地では周りに頼れる人もいないため、トラブルは自分自身で解決して行かなければならないのです。
その際に、きちんと自分の意見を相手に伝えることができないと、結局損してしまうのは自分なのです。
世界ではさまざまな言語が話されていますが、学ぶべきなのは一番汎用性のある「英語」です。
英語なら、基本的にどこの国に行っても共通言語として使えます。
「海外移住する際にどの程度の英語レベルを目指すべきか」や、「どうやって英語学習を進めたらいいのか分からない」という方も多いかもしれませんね。
そこで、「【知らなきゃ損する】海外移住に必要な英語力と効率的な勉強方法」では具体的な方法を解説しています。
よかったら参考にしてみて下さいね。
2.住みたい国を訪れる
あなたが海外移住をするなら、どこの国に住みたいですか?
自分のお気に入りの国を見つけることは、海外移住の第一歩です。
気になる国を見つけたら、実際に訪れてみることをおすすめしています。
なぜなら、実際に訪れてみることでしか現地の雰囲気を知ることはできないからです。
よくブログ記事などでも「おすすめの国〇〇選」のような記事がありますが、そういった情報だけで判断するのは「こんなハズじゃなかった…」という結果に繋がってしまいます。
実際に現地を訪れて、現地の雰囲気を肌で感じてみましょう。
「意外と食べ物が合わないな」
「ガイドブックで載っているイメージと違った」
と、気づきがあるかもしれません。
そして、現地を訪れるなら「実際に現地で暮らしているかのように滞在すること」もおすすめです。
例えば、住みたいエリアのアパートメントを借りて1週間ほど滞在してみるのもいいでしょう。
「近くにスーパーマーケットはあるかな〜」と歩いてみたり、「夜の治安はどうかな」のように、生活者目線で見ることが大事です。
そうすることで、移住後の実際の生活をイメージしやすくなりますよ。
3.現地のビザ情報を集める
海外で長期滞在するには、「ビザ」は必須です。
そして、ビザは定期的に取得条件が変わったりするので、ビザ情報を集めることは非常に重要です。
ビザの情報は基本的に大使館のHPを見れば最新情報を確認できますよ。
4.現地で募集されている求人を探す
海外暮らしを続けていくためには、現地で稼いで生活を営んでいく必要があります。
そのため、オンラインで稼げるノマドワーカー以外は現地で仕事を見つける必要があります。
現地で仕事を見つけることは決して容易ではありません。
しかし、粘り強く探せばどこかにあなたが応募できる求人は必ずあります。
別記事「【海外で働きたい人必見】海外移住におすすめの仕事14選!」では、海外移住でおすすめの仕事を紹介しているので、ぜひ参考にしてみて下さいね。
5.家を探す
移住先で仕事が見つかったら、いよいよ現地で生活するための拠点を探しましょう!
余裕があれば、実際に現地を訪れて内覧することをおすすめしています。
海外では「安心はお金で買う」のが基本です。
住む家のエリアが治安の悪いエリアだったり、セキュリティーが甘かったりするのは避けたいですよね。
とはいえ、日本でも仕事が忙しくて、なかなか現地を訪れることができないこともあるでしょう。
そんな時は、海外移住の1ヶ月目だけ「Airbnb」などで家を借りて、暮らしながら良さそうな物件を借ります。
住居は海外生活を快適に暮らすための重要な要素です。
慎重に良い物件を見極めてくださいね。
失敗してもええやん。人生で1度は外の世界に出るべき理由
海外移住はあなたの人生を大きく変えるイベントです。
大きな決断だけに、「失敗したくない…」と一歩が踏み出せない人も多いのではないでしょうか。
しかし、『失敗しない人生こそ失敗である』という言葉があるように、挑戦して失敗することは決して悪いことではありません。
失敗から学べることって、実はとても沢山あるんですよね。
海外移住で「思い描いていた生活と違った」と思って帰国したら、周りから見れば「失敗」かもしれません。
しかし、あなたは以前よりも日本のことが好きになっていて、日本での暮らしにありがたみを持って生きれるようになれば、全然失敗じゃないですよね。
日本の素晴らしさを知る方法は、外に出ないと分からないんです。
そして、「言葉が話せなくて孤独だから」という理由で帰国したら、必死になって英語を学べばいいんです。
そうして英語のスキルを身に付ければ、もっと良い仕事が見つかるかもしれません。
このように、失敗をバネにして次のチャンスに活かすことができます。
「海外移住で失敗したくないから挑戦しない」という選択こそ、最大の失敗かもしれません。
人生は一回きり。
一度くらいは外の世界に飛び込んでみるのが面白いかもしれません。
ぜひ、たった一回の人生を後悔のないように生きてくださいね。
まとめ:なんでも上手くいく人生なんてつまらない
今回は「海外移住の失敗」について記事を書きました。
そこでふと感じたのは、日本では「失敗=よくないこと」と考える人が多く、小さい頃から失敗を避けるように生きる人が多いことに気がつきました。
でも、よく考えてみてください。
失敗しない人生、つまりなんでも成功する人生なんてつまらなくないですか?
挑戦して全てが上手くいってしまったら、達成感がなくなります。
あの大谷選手でも打率は3割です!
そして、有名なユニクロの凄腕経営者である柳井社長でさえ「打率1割」と言っているんです!
どうでしょう?
そう考えると、失敗なんて怖くないですよね。
今日からできることをコツコツ準備を進めて、海外移住という大きなチャンスに挑戦してみてくださいね。