この記事では、こんな疑問に答えていきます。
「財産は3代で底を尽きる」と言われるほど、相続税の負担は大きいものです。
そして、世界的にも「相続税の高い国」と言われている日本。
日本で暮らしている限り相続税を払う義務がありますが、海外居住している場合はどうなるのでしょう?
グローバル化に伴って、今後は海外で暮らす日本人も増えてくることが予想されています。
この記事では、海外移住者が知っておきたい相続の疑問を解決していきます。
この記事で学べること
・日本の高すぎる相続税
・海外で相続税のかからない国
・相続税が免除される条件とは
・日本にある財産を海外に移動させる方法とは?
日本の高すぎる相続税
相続税とは、亡くなった人から財産を相続したとき、財産の合計が基礎控除額を超えた場合に課される税金のことです。
課税対象となるものは、
・現金
・土地
・建物
などです。
日本は最高税率が55%となり、世界的にも「相続税の高い国」となっています。
参考までに、相続金額に応じた日本の税率は以下のとおりです。
・1000万円以下:10%
・1000万円〜3000万円:15%
・3000万円〜5000万円:20%
・5000万円〜1億円:30%
・1億円〜2億円:40%
・2億円〜3億円:45%
・3億円〜6億円:50%
・6億円〜:55%
これを見ても分かるように、日本では財産を相続してもかなり税金で持っていかれてしまいます。
日本の相続税が高くなった理由は、所得税や消費税などに比べて増税しやすかったからと言われています。
国民からすると日々の生活で増税するとなると、反発が起きやすくなるため遺産相続から税金を増やすことにしたのです。
一方で、海外では相続税のかからない国もあるのです。
続いては、相続税のない国や相続税の廃止された国について解説します。
海外で相続税のかからない国
日本の相続税が高くて頭を悩ませるなか、海外では相続税という制度がない国や相続税を廃止した国もあります。
相続税のない国、もしくは廃止された国は以下のとおりです。
・中国
・マレーシア
・タイ
・オーストラリア
・ニュージーランド
・ロシア
・モナコ
・スイス(一部の州のみ存在)
・スェーデン(2005年に廃止)
・香港(2006年に廃止)
・シンガポール(2008年に廃止)
・イタリア(4親等を超える者への相続のみ課税)
これらの国が相続税を廃止した背景としては、富裕層などの優秀な人材の流出を防ぐためです。
反対に、シンガポールなど相続税を廃止したことで世界中の富裕層やエリートたちを国に呼び込むことに成功した国もあります。
相続税が免除される条件
という疑問も湧くはず。
しかし結論から言うと、相続税を払わなくていいかは条件によって決まります。
条件に当てはまれば相続税を払わなくてもいいのですが、その条件は非常に難しいものとなっています。
相続税回避のために安易に海外移住されたら困るため、日本政府は2017年に相続税の取り扱いが改正されました。
改正後の相続税免除の条件は以下のとおりです。
①日本国籍ではない
②海外に10年以上住み続けている
③相続財産を全て海外に移している
この3つの条件をクリアすることができるなら、相続税を支払わずに相続することが可能です。
これを見ても分かるように、「相続税回避のためだけの海外移住」は、現実的ではないことが分かりますよね。
しかし、10 年以上海外に住み続け、国籍も取得している場合には「相続財産を全て海外に移すこと」でクリアできます。
続いては、日本にある財産を海外に移す方法を解説します。
日本にある財産を海外に移動する方法とは
方法はシンプルです。
・日本の金融資産を海外の口座に移す
・外国株式を購入する
これらの方法で海外に資産を移すことが可能となります。
しかし、「土地」などの場合には上記のようにはいかないので相続税の専門家に相談したほうがいいでしょう。
海外移住=相続税から逃れられる訳ではない
いかがだったでしょう?
やはり、「海外移住しただけで相続税が免除できる」という簡単な話ではないことが分かります。
しかし、正当な方法で減税や節税を行える方法も数多くあります。
いざ、相続することになってからでは色々と調べるのが大変なので事前に相続税の専門家にアドバイスをしてみるのもいいかもしれませんね。
終わり!
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