この記事では、このような疑問に答えます。
人生の最後を自分らしく迎えるための準備である「終活」。
残された遺族に対して、なるべく負担をかけないように葬儀やお墓の準備をする人が増えています。
「終活」というと、シニア層だけが準備しておくべきというイメージが多いのですが、若年層でも思いがけない病気や事故なども起こり得ます。
つまり「終活」はどんな世代でも、いざとなった時のために準備しておいた方がいいと言えます。
最近では、定年後は海外でロングステイする人や、国際結婚や海外就職で長期間日本を離れて暮らす人も増えています。
海外で最期を迎える可能性がある場合、どんな「終活」をすべきなのでしょうか?
この記事では、海外移住者こそ考えておくべき終活について詳しく解説します。
この記事で学べること
海外移住した人こそ考えておくべき終活とは?【リスト付きで分かりやすく解説】
海外移住した人こそ考えておくべき終活とは?
人々が「終活」を考える時期はそれぞれですが、主に「人生で何かしらのイベント」があった場合に多いようです。
例えば、
・年齢
・子どもの独立
・家族の死
・治らない病気を患った
・退職
など。
「海外移住」もそういった人生の節目の一つかと思います。
ここでは、海外居住者がやっておくべき終活をリスト化して解説していきます。
【やることリスト】
1:断捨離
2:遺影用の写真を準備する
3:相続の準備
4:葬儀やお墓について決める
5:遺言書の作成
6:いざという時の意思表示
7:遺体の輸送手続きや費用の準備
8:知人の連絡先の整理
9:サービス解約手続き
10:パスワード管理
それでは解説していきます。
1:断捨離
リストの1つ目は「断捨離」です。
まずは、自分の持ち物を整理して不要なものを手放すことから始めてみましょう。
残された家族の遺品整理などの負担を減らすためにも、残しておく物の保管方法や保管場所を決めておくなどしておいた方がいいでしょう。
また、断捨離するときは一気にやってしまいたくなるものですが、結構大変な作業なので休日などを利用して少しづつ行っていくのもアリですよ。
2:遺影用の写真を準備する
リストの2つ目は、「遺影用の写真を準備する」こと。
遺影まできちんと準備している人は少ないのではないでしょうか。
自分が亡くなった場合には遺族が遺影を選ぶことになりますが、悲しみのなかの遺影選びもなかなか大変なものです。
準備できるなら、遺影用の写真を撮ってもらう、もしくは遺影に使いたい写真を選んで印刷する、またはデータを取得して管理しておいた方がいいでしょう。
最近では、遺影を撮影してくれる専門スタジオもあります。
「最後の写真は綺麗に残したい」という方や、遺影用の写真を準備できていない人は、写真館などで撮影してもらうのもオススメです。(修正なんかもしてくれるそう…)
3:相続の準備
リストの3つ目は、「相続の準備」です。
やるべきこととして、
・自分の財産で相続対象となるものをまとめる
・誰に、どのように相続させるか決める
・決めた内容を遺言などに残しておく
などです。
ここでポイントなのが、海外居住者の「相続税の扱い」です。
海外移住者が相続する場合や、相続させる場合については以下の記事で詳しく解説しています。
4:葬儀やお墓について決める
リストの4つ目は、「葬儀やお墓について決める」ことです。
海外で最期を迎えた場合は、
・日本で葬儀、火葬、埋葬を行う
・現地で火葬して遺骨を日本へ送る
などを決めておかなければなりません。
また、国によって決まりがあったり、宗教の関係で出来ること、出来ないことが異なります。
言葉の通じない異国で、遺族が葬儀について手続きを行うのは負担になるので、事前に現地の情報を調べ、希望を家族に伝えておくと良さそうですね。
お墓に関しても、国内にある先祖代々のお墓をどうするのか決めておかなければなりません。
親戚や兄弟などで誰が墓を管理するのか、墓を管理する人がいない場合や維持するのが難しい場合には「墓じまい」するかなどを話し合うべきです。
5:遺言書の作成
リストの5つ目は、「遺言書の作成」です。
遺言書とは、相続人同士がモメないよう亡くなった人の想いを遺族に残すためのものです。
これを書いておくことで、亡くなった後の遺産相続などがスムーズに進むため、欠かさず準備しておきたいものです。
遺言書作成にあたって、注意したいことは以下のとおりです。
・書き間違いや曖昧な内容だと、無効になる場合がある
・相続する財産が海外にある場合、日本でなく現地の法律に従わなければならないことがある
遺言書を作成する時は、「公証役場」で規定通りきちんと作成すれば、遺言書が無効となることを防げます。
6:いざという時の意思表示
リストの6つ目は、「いざという時の意思表示」を残しておくことです。
希望をきちんと文章に残しておくことで、判断ができなくなった場合や伝えることができなくなった際に、自分らしい選択をしてもらうことができます。
例えば、
・延命治療の可否
・臓器提供の可否
・誰に介護して欲しいのか
・どこで介護して欲しいのか
・希望の病院
などです。
今一度、自分がどのような選択をして欲しいのか、伝えられることを整理しておきましょう。
7:遺体の輸送手続きや費用の準備
リストの7つ目は、「遺体の移葬手続きや費用の準備」です。
海外で亡くなった場合、日本へ遺体を輸送することも可能です。
遺体搬送には特別な手続きが必要となるので、予め現地の書類申請方法などを調べておいた方がスムーズかもしれません。
【遺体搬送に必要な手続き】
・死亡証明書
・故人のパスポート
・エンバーミング証明書
・遺体証明書
また、輸送にかかる費用としては約100〜150万円かかるようです。
なかなか大きな額となるので、その額をカバーできるよう資金の準備や、保険でカバーできる内容などを調べておくことが大切です。
8:知人の連絡先の整理
リストの8つ目は、「知人の連絡先を整理しておく」です。
自分が亡くなった場合に、知らせておいて欲しい人などをリストアップしておきましょう。
年賀状などから知人の住所や電話番号をまとめておくのもいいでしょう。
9:サービス解約手続き
リストの9つ目は、「サービス解約手続き」です。
利用していないサービスを、この機会に解約してみましょう。
利用していないサービスを見直すことで、無駄な年会費を取られることもなくなり、もし自分が亡くなった時にも解約などする手間も省けます。
10:パスワード管理
リストの最後は、「パスワード管理」です。
・スマートフォン
・メール
・月額サービスなど
これらのパスワードを大切に保管できる場所にまとめておきましょう。
終活は早過ぎるということはない
いかがだったでしょうか?
「終活」というと、孫に囲まれて「そろそろ寿命かしら…」と考える頃に準備をするというイメージを持っていませんか?
「終活」を始めるのは、早すぎてダメなことは一つもありません。
特に、海外居住者が現地で亡くなった場合、残された周りの家族は悲しみながらも葬儀や死後の手続きなどを進めていかなくてはなりません。
日本で亡くなった場合より、葬儀や手続きなども大変になることも予想されます。
海外に住んでいるからこそ、早いうちに「終活」について考えておくことが大切ですね。
「終活」を通して、残りの人生をどのように向き合い過ごしていくのか、やりたいことや人生のゴールを再確認してみてはいかがでしょうか。
終わり!
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