この記事では、そんな疑問に答えます。
海外移住者にとって、日本にあるお墓の管理で悩んでいる人は意外と多いのではないでしょうか。
海外へ移住すると日本へ戻ることが難しくなるため、国内のお墓を維持をするのも大変ですよね。
日本でお墓の管理を任せられる人がいれば良いのですが、最近では少子化の影響でお墓を任せる兄弟や後継者がいない場合もあります。
そうなると「無縁仏」となってしまい、遺骨ごと撤去されてしまうということもあります。
そうなる前に「墓じまい」「永代供養にする」などの対策が必要です。
この記事では、「墓じまい」や「永代供養」、「海外から日本への送骨」について詳しく解説していきます。
この記事で学べること
・海外移住者が考えておくべきお墓の管理【墓じまい・永代供養】
・「墓じまい」に必要な手続きと流れの解説
・「永代供養」のすすめ
・海外から故郷へ。最期は日本で眠りたい場合
海外移住者が考えておくべきお墓の管理【墓じまい・永代供養】
近年、日本を出て海外で暮らす人が増加しています。
海外移住すると日本へ戻ることが難しくなるため、国内のお墓の維持をするのが難しくなります。
さらに、少子化の影響でお墓を管理できる後継者が見つからず、「無縁仏」となってしまうことも珍しくありません。
「無縁仏」になる可能性がある場合には、事前に準備することが大切です。
もしも、国内にお墓の管理を任せられ得る人がいない場合には、
・墓じまい
・永代供養墓
などを検討することができます。
「墓じまい」に必要な手続きと流れの解説
「墓じまい」の手順は以下のとおりです。
①親族間での話し合い
②墓地や霊園の管理者に意思を伝える
③埋葬証明書を発行・改葬許可申請書記入
④受入証明書を記入する
⑤改葬許可証明書を発行する
⑥改葬許可証明書を提示して遺骨を取り出す
⑦「開眼法要」する
⑧お墓の解体・撤去
⑨移転先に納骨する
ざっくりこのような流れで「墓じまい」を行います。
という声が聞こえてきそうですが、そんなことはありません!!
「墓じまい」は決して難しいことではないので、簡単に解説していきます。
1.親族間での話し合い
親族がいる場合には、必ず「墓じまい」について話し合いましょう。
「墓じまい」することに納得してもらわずに進めてしまうと、後にトラブルになってしまう可能性があります。
親族全ての了承が全て得られたら、本格的な「墓じまい」の準備が始まります。
2.墓地や霊園の管理者に意思を伝える
墓じまいすることが決まったら、まずは墓地や霊園の管理者に意向を伝えましょう。
「海外に住んでいてお墓の管理が難しくなった」、「国内でお墓を管理できる後継者がいない」などの理由をきちんと伝えることがポイントです。
3.埋葬証明書を発行・改葬許可申請書記入
管理者に理由を説明したら、その後「埋葬証明書」を発行してもらいます。
また、同時に「改葬許可申請書」にも署名捺印をしてもらいましょう。
「改葬許可申請書」は自治体のホームページからダウンロードすることも可能なので、事前に用意し必要事項を記入しておくと便利です。
4.受入証明書を記入する
次にすべきことは、「受入証明書」の記入です。
「受入証明書」は、新しく遺骨を移す合祀墓や納骨堂などで発行してもらえます。
新しく納骨を移す場所を選んでおく必要があるのですが、自分以外にお墓を管理する人がいない場合には「永代供養墓」を選ぶことをオススメします。
「永代供養」については次章で詳しく解説します。
5.改葬許可証明書を発行する
・改葬許可申請書
・埋葬証明書
・受入証明書
この3つが揃ったら、「改葬許可申請書」を記入し、自治体へ提出しましょう。
なお、「改葬許可申請書」は自治体から直接貰う、もしくは自治体のホームページからダウンロードすることが可能です。
申請書の記入が不安な方や疑問がある場合は、自治体の職員さんに相談しつつ、記入するのもアリですよ。
「改葬許可申請書」を役所に提出すると、「改葬許可証明書」を発行してもらえます。
また、手続きと並行して、墓じまいの法要や工事の日程を決めておくとスムーズです。
6.改葬許可証明書を提示して遺骨を取り出す
「改葬許可証明書」を発行してもらったら、現在のお墓の管理者に提示して遺骨を取り出します。
遺骨を取り出す日にちや時間を、お寺や霊園の管理者と相談しておきましょう。
遺骨を取り出す際には「開眼法要」を行い、墓石から魂を抜いてから遺骨を取り出す必要があります。
7.「開眼法要」する
お墓から遺骨を取り出す際に行う「開眼法要」。
開眼法要とは、墓石から魂を抜くための儀式として行われるものです。
法要ではお坊さんにお経を上げてもらうため、お布施を用意する必要があります。
相場は大体3〜5万円くらいですが、離檀料を請求されていない場合は10万〜15万円包むといいでしょう。
8.お墓の解体・撤去
開眼法要が済んだら、お墓を解体・撤去してもらいます。
撤去作業は、お墓を建てた時の石材店が請け負ってくれます。
費用や料金、撤去作業にかかる時間などを確認しておきましょう。
9.移転先に納骨する
無事に遺骨を取り出し、墓じまいしたら新しい移転場所へ納骨します。
納骨堂や永代供養墓に遺骨を納めたりする場合には必要ありませんが、一般のお墓に改葬する場合には「納骨式」や「開眼法要」を行います。
このような流れで「墓じまい」を行いますが、決して難しくはないです。
手続きで不明点や相談があれば、役所などに問い合わせてみると親切に答えてくれますよ。
お墓の管理が難しいなら「永代供養」もオススメです
海外に住んでいると、なかなか先祖代々受け継がれてきたお墓の管理が難しくなります。
お墓の管理をお願いできる人がいればいいのですが、そうでない場合「無縁仏」として撤去の対象となってしまいます。
「無縁仏」になってしまう可能性がある場合には、後継者不要のお墓である「永代供養付きのお墓」を選択するのも一つです。
ここでは、永代供養について詳しく解説していきます。
永代供養のメリット・デメリット
永代供養付のお墓を選択することのメリットは、
・寺院や霊園に遺骨を預ければ、永代に渡り供養してもらうことができる
・お墓を立てる費用がかからない
・お墓の後継者がいなくても大丈夫
・相続税を節税できる
という点です。
新しくお墓を立てると、墓石代やお墓の維持管理費などでかなりの金額がかかりますよね。
永代供養の場合には、お墓を立てる必要がありません。
また、後継者がいなくても「無縁仏」になることがないので心配しなくてもいいのは大きなメリットです。
反対にデメリットとして、
・永代とはいえ、遺骨安置に期限がある場合がある
・永代供養できる寺や霊園が限られているので宗教に縛られやすい
という側面もあります。
永代供養とはいえ、「○回忌まで」と期限が設けられている場合もあるのでしっかりと事前に確認しておいた方が良いでしょう。(33回忌までの場合が多いよう)
また、永代供養できる寺院や霊園は限られるので、宗教などにこだわりがある場合には少し探すのに苦労する可能性があります。
永代供養のお墓を探すなら、きちんと相談できる終活サービス会社に無料相談してみるといいかもしれません。
「墓じまい」で困ったことや疑問にも答えてくれますよ。
お墓のポータルサイト「いいお墓」永代供養する場合の手順
ここでは、先祖代々のお墓を永代供養へ変更する手順を解説します。
手順は以下のとおりです。
①墓じまいする
②永代供養する寺院や霊園に「改葬許可証」と「遺骨」を持参する
③納骨する
市町村や自治体、または寺院や霊園によって必要書類が異なる可能性があるので確認してみるといいかもしれません。
また、永代供養の費用の相場も約10万円〜100万円までとなっているようです。
それぞれのプランを比較し、検討してみましょう。
海外から故郷へ。最期は日本で眠りたい場合
また、長年海外で生活している人でも「最期は日本の地で眠りたい」という想いを持つ人もいることでしょう。
そのような場合、海外で火葬し遺骨を日本に送って納骨することが可能です。
納骨に必要な書類である「改葬許可申請書」に必要事項を記載して、改葬許可証明書が発行されれば国内に持ち込むことができます。
その他にも、
・受入証明書
・死亡証明書
・火葬証明書
・戸籍謄本
・死亡証明書や火葬証明書を日本語に翻訳したもの
が必要になる場合があるので、事前に自治体に確認しておくのがベターです。
また、遺骨を航空機で運ぶ際にも各航空会社によってルールが異なるので問い合わせて確認することをオススメします。
海外で暮らすなら、お墓の管理はしっかりと決めておこう
いかがだったでしょうか?
海外移住すると、なかなか日本へ戻ることが難しくなりますよね。
「お墓の管理」をしっかり決めてから海外へ行くことが理想ですが、今からでも遅くはありません。
兄弟や親戚と連絡を取り合い、どのような選択をするのか親話し合って納得しておくことが大事です。
もしも、自分たちで解決できない場合や疑問点があるなら躊躇せず終活専門窓口などに相談してみましょう。
終わり!
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