こんな疑問にお応えします。
こんにちは、Yuri(@lovethelife365)です。
わたしは、2018年に同性パートナーと養子縁組をして、現在は2人の子どもを育てています。
日本でも「同性婚」があれば良いのですが、まだまだ法整備が追いついていないのが現状です。
「パートナーとこれからの人生を一緒に生きていく」と決意して養子縁組を選択した私たちですが、同じようにパートナーと「家族」として生きていきたい人は多いはず。
しかし、大切なパートナーと「パートナーシップ制度」や「公正証書を作成する」といった別の選択肢もあるなか「養子縁組」を選択することによって、2人の関係がどのように変わるのか気になりますよね。
特に「養子縁組」では、「パートナーシップ制度」との大きな違いのひとつとして、カップルで同じ「苗字」になることがあげられます。
ちなみにですが、「パートナーシップ制度」や「養子縁組」、「公正証書」などの詳しい内容を知りたい方は別の記事で詳しく解説しています。
https://oh-my-goodness365.com/lgbtq/
この記事では、養子縁組をすることで変わる「苗字」について詳しく解説していきます。
この記事で学べること
・【同性カップルで養子縁組】苗字はどうなるの?
・苗字を変更した後にやるべきこと
・養子縁組解消後の苗字は?
【同性カップルで養子縁組】苗字はどうなるの?
男女間の結婚においては入籍する2人が同じ苗字になりますが、実は養子縁組を利用することでパートナーと同じ姓を名乗ることができます。
理由は、2人が同じ戸籍に入るため。
結婚も養子縁組もどちらも「同じ戸籍にはいり、同じ姓を名乗れる」のですが、決定的に違うのは「夫婦として」ではなくあくまでも「親子または兄弟として」戸籍に登録されます。
少しややこしくいまいちピンと来ない方向けに、養子縁組の基礎的な情報を簡単に説明していきます。
まず、養子縁組には2種類あります。
①普通養子縁組
②特別養子縁組(6歳以下の子どもを養子にする場合)
同性カップルで養子縁組をするとなると利用できるのは①「普通養子縁組」になります。
この普通養子縁組が受理されると、大切なパートナーと「戸籍上の家族」になることができます。
いえいえ、そんなことはありません。
わたしも養子縁組の手続きを実際に行いましたが、かなり簡単&あっさり手続きが終わります。
同性カップルで養子縁組の手続きをする際に必要なものは、
・養子縁組届(役所でもらうか、ダウンロードしてコピーもできます)
・証人2人のサインと印鑑
・それぞれの戸籍謄本
これを役所に提出するだけです。
手続き自体は簡単なのですが、ここでポイントなのが「パートナーと自分をどのような関係にするか」ということ。
同性カップルが養子縁組をするときには、
①パートナーと親子関係になる
②パートナーと兄弟関係になる
の2つのパターンがあります。
①の場合、
自分とパートナーのうち年上の方が「親」となり、年下の方が「子」となります。
そして、この場合は年上(親である)方の苗字になるという決まりがあります。
例)山田さん(35歳)と田中さん(28歳)が①の方法で養子縁組する場合。
山田さん→「親」(年上)
田中さん→「子」(年下)
養子縁組が認められると、田中さんは「山田」へ姓が変更する。
私たちは①のパターンで養子縁組をしたので、年上のパートナーの姓をわたしが名乗ることになりました。
②の場合は少し特殊なのですが、
自分、もしくはパートナーの親と養子縁組する方法です。
この方法で養子縁組するなら、パートナーと自分は「兄弟」の関係になります。
例)太田さん(34歳)と鈴木さん(32歳)が②の方法で養子縁組する場合。
ここでは、太田さんが鈴木さんの親と養子縁組するとします。
すると、太田さんが鈴木家の戸籍にないることになるので太田さんが「鈴木」へ姓を変更し、2人は兄弟となります。
このように、2つのどちらかの方法を選ぶかによって、どちらの姓を名乗るか変わってきます。
苗字を変更した後にやるべきこと
無事に養子縁組が受理されて一安心。
と言いたいところですが、これからが大変だったりします…。(特に、苗字を変更した方)
わたしはパートナーの苗字へ変更したのでその大変さを経験しましたが、一言で言うととっても面倒くさいです。
苗字を変更しない方は、養子縁組をしようがしまいが日常ではほとんど何も変わらないのでこの大変さはカップルのうちどちらかしか経験しないでしょう。
ここでは、「苗字を変更したあとにやるべきこと」について解説します。
結論から言うと、以下のとおり。
・免許証の名義変更(警察署へ)
・パスポートの名義変更(担当窓口へ)
・銀行口座の名義変更(各銀行へ)
・クレジットカード名義変更(カード会社に連絡)
・保険関係の名義変更(各保険会社へ連絡)
・携帯電話の名義変更(携帯ショップへ)
・会社へ苗字変更申請(管理職へ)
こんな感じで、やるべきことがどっさりです。
これらの手続きは1日で終わるものもありますが、なんせ警察署やら銀行などに行かなければいけないので結構大変です。
結婚して苗字が変わる女性はこんな苦労をしていたんだと分かりました…。
ここでわたしが一番苦戦したのが、「会社への苗字変更申請」です。
ここで同性パートナーと養子縁組をして、姓を変えることなどを管理職に全てカミングアウトしなければいけなくなったのです!
本当ならずっと黙っていたかったのですが、福利厚生の手続き上避けられませんでした。
ありがたいことに、会社ではこちらの事情を汲み取って管理職だけの秘密情報として慎重に取り扱ってくれたため、その後も安心して働き続けられています。
しかし、カミングアウトはかなり勇気がいることですし、結構なストレスもありますよね。
このように、苗字を変える場合には会社にも伝えることになる場合もあるでしょう。
養子縁組解消後の苗字は?
続いて、養子縁組を解消した場合苗字は一体どうなるのか解説していきます。
養子縁組を解消すると、基本的には養子縁組前の姓に戻ります。
ただし、養子縁組から7年経過していれば、解消3ヶ月以内の届出により「養子縁組時の姓」を名乗れるそうです。
これを「縁氏続称」と言うそうで、氏の変更を目的とした養子縁組を防止するためにある条例だそうです。
養子縁組は同性カップルが「家族」になる選択肢の1つ
いかがだったでしょうか?
養子縁組って意外と簡単に申請できることに驚いた人も多いのではないでしょうか?
しかし、同性カップルが「結婚」と同等の権利を求めて養子縁組するのは、あまりおすすめしません。
なぜなら、結婚と養子縁組は別物で、あくまでも養子縁組はパートナーと「家族」になるための選択肢の1つだからです。
「夫夫」または「婦婦」として認められるわけではありません。
しかし、札幌の同性婚訴訟で「違憲」と判断されたことは「同性婚合法化」に向けて大きな一歩となるでしょう。
いつか同性カップルが「養子縁組」を選ばなくても家族、パートナーと認められる日が来ることを願っています。
終わり!
Adios