この記事では、こんなお悩みに答えます。
新型コロナウィルスの感染拡大とともに、「もしもの時に大切なパートナーを守れるのか?」という不安が性的マイノリティーの間で広がっています。
そして皮肉にもコロナ禍で、「家族」でないことを理由に病院での面会や医療行為の同意、病状説明などが拒否されるといった問題が浮き彫りとなりました。
日本では同性婚が認められていないため、法律上の「家族」になることができません。
そして医療機関ごとに「家族の定義」が曖昧になっているのも事実です。
この記事を書いている私(@lovethelife365)もLGBT当事者であり、現在同性パートナーと養子縁組&子育てしています。
私が病院で医療行為を受けたときの経験も書きつつ、同じ不安を持つ同性カップルに向けて以下の内容を詳しく解説していきます。
・同性カップルの医療現場での課題とは?
・【同性カップル必見】病院で大切なパートナーに寄り添うためにすべきこと
・【体験談】同性カップルで挑んだ出産【病院の対応について語る】
同性カップルの医療現場での課題とは?
同性カップルの医療現場での扱いには、多くの課題があります。
例えば、
・パートナーが救急搬送になったが、「家族」でないことを理由に付き添うことができない
・法律上の「家族」でないため面会を断られる
・「他人」としての扱いなので、病状説明がされない
・パートナーの医療行為に同意することができない
などなど。
同性カップルの医療現場でのこうした「問題」は、今まであまり取り上げられてきませんでしたよね。
しかし、コロナ禍で多くの同性カップルの間で不安が広がってきました。
もしもの時に大切なパートナーに寄り添うことは、誰にでも与えられた権利です。
上記のような悲しい経験をしないためにも、【もしもの時、パートナーに寄り添うために備えておくべきこと】を紹介していきます。
【同性カップル必見】病院で大切なパートナーに寄り添うためにすべきこと
ここでは、医療現場で大切なパートナーに寄り添うためにすべき事について解説していきます。
もしもの時に備えられることとして、以下のことがあります。
・緊急連絡先カードに必要事項を記入し携帯しておく
・パートナーシップ証明書など、2人の関係を外部に伝えられるものを持っておく
・LGBTに理解のある病院を探しておく
・かかりつけ医に事前に状況を説明して理解しておいてもらう
・任意後見契約を結んでおく
それでは詳しく解説していきます。
緊急連絡先カードに必要事項を記入し携帯しておく
救急車を呼ぶときなど「いざとなったとき」に必要な情報を書き留めておける「緊急連絡先カード」。
記入には、本人情報、医療情報、緊急連絡先を記しておくことが可能です。
「家族でない人に教えられない」と言われても、本人の意思で緊急時に知らせておいて欲しい人をパートナーにしておくことによって状況を説明してもらえます。
この緊急連絡先カードと併せて、会社に提出する緊急連絡先もパートナーで登録しておきましょう。
パートナーシップ証明書など、2人の関係を外部に伝えられるものを持っておく
カップルが「パートナーシップ制度」を利用している場合には、2人の関係を外部に伝えられるツールとなります。
医療現場で2人の関係を聞かれても、証明書を見せれば説明の手間も省けてとても便利です。
せっかく宣誓した証明書を、外部に2人の関係を知らせるツールとして活用するのもオススメですよ。
LGBTに理解のある病院を探しておく
LGBTに理解のある病院を事前に探しておくことも重要です。
今はインターネットでLGBTフレンドリーな病院を探すことも可能です。
また自治体のホームページでも、各病院の「同性カップルへの対応」に記載している場合があるのでチェックしてみましょう。
かかりつけ医に事前に状況を説明して理解しておいてもらう
かかりつけ医がいる場合には、事前に状況を説明して理解しておいてもらうといった方法もあります。
今は「パートナー」で理解してくれる場合も多いようなので、事前に状況を説明し、入院や手術が必要になった場合に担当医に間に入ってもらえるようにしておくと安心ですね。
任意後見契約を結んでおく
自分が信頼するパートナーに後見人になってもらうために、看護の委任や財産管理を盛り込んだ「任意後見契約」を結んでおくのも1つの方法です。
自分が元気なうちに、大事な判断ができなくなった時に備えて「任意後見契約」についてパートナーと話し合いつつ調べていきましょう。
このように、同性カップルが結んでおいた方が良い契約や手続きなどは元気なうちからきちんと調べて知っておくことが大切です。
もしもまだ備えがない場合や、すべき手続きを把握していないなら本などで知識を身に付けておきましょう。
パートナーと将来安心して暮らすために役立つ知識ばかりです。
【体験談】同性カップルで挑んだ出産【病院の対応について語る】
最近では、女性カップルでも精子提供などを受けて子を持つパターンが増えています。
特に、自分やパートナーの出産では、病院で「家族」」として認めてもらえるのかも気になるところですよね。
実を言うと、我が家では私とパートナーがそれぞれ子を1人ずつ出産しています。
もちろん2人とも病院で出産していますが(私は総合病院、パートナーは個人の産院)、病院では2人の関係をオープンにしていました。
結果的にどちらの病院でもパートナーを「家族」として認められ、緊急の医療行為でも家族としての対応ができたのはとても助かりました。
※私の出産時には急遽陣痛促進剤と輸血が必要となり、パートナーが医療説明や同意書のサインをすることができました。
このように病院側から対応してもらえたのは、事前に2人の関係性をオープンにしてくれていたからかもしれません。
とはいえ、私たちは「養子縁組」しているので万が一病院側に「家族として認められない」と言われても戸籍上は家族(養親と養子の関係)と主張できるのですが…。
つまり、一概に全ての病院でパートナーが私たちの事例のように扱われるのかは分かりませんが(病院によるのかもしれない)、オープンにしても「家族」として対応してくれる場合もあるという事です。
これから出産を迎えるカップルや、子を持ちたいと考えているカップルは信頼できる医師のいる産院を選ぶことが大切かもしれませんね。
まとめ:大切な人を守りたいなら、備えよう
いかがだったでしょうか?
同性婚が認められていな日本では、病院での扱いなども含めて同性カップルが生きづらいと感じてしまう場面が多いですよね。
少しづつ理解が進んでいくとは思いますが、法律が追いつくのはまだまだ先になるでしょう。
ここでも紹介しましたが、もしもの時に大切な人を守れる手段はあります。
何かあったときに後悔しないよう、早めの備えで大切な人を守れる状態にしておく事が大切ですね。
そしていつかは「同性カップル」だからといって特別な備えなどいらない未来になることを願うばかりです。
終わり!
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